AIで自作する「自分専用メモ帳」。Pythonで理想の執筆環境を手に入れる

  • この記事はこんな人向け: 既存のツールに物足りなさを感じているが、プログラミングには高いハードルを感じているビジネスパーソン。
  • この記事で学べること: AIを「壁打ち相手」にすることで、専門知識がなくても数回の対話で実用的な自作ツールを開発するフロー。
  • 目安読了時間: 約4分

「標準メモ帳」の限界?なぜ今、あえてツールを自作するのか

Windows標準のメモ帳。
軽量でシンプル、決して悪いツールではありません。

しかし、日々の業務で何十個ものテキストファイルがデスクトップに散乱し、「あのメモ、どこだっけ?」と探す時間にストレスを感じたことはないでしょうか。(私は画像の通りテキストファイルだらけ・・・)

ファイルエクスプローラーに表示されたテキストドキュメントの一覧。名前、更新日時、種類(テキスト ドキュメント)の各項目がリスト形式で並んでいるキャプチャ画像

多機能なフリーソフトを探せば解決するかもしれません。
しかし、そこには使わない装飾機能や、重いプラグインが詰め込まれていることも多い。

そこで今回、私はGeminiという強力なパートナーを味方につけ、「自分が本当に欲しい機能だけ」を凝縮した、Pythonベースの自分専用メモ帳を開発することにしました。

前回はGeminiを使ってブラウザで起動する4択クイズゲームを作成しました。よろしければこちらもご覧くださいませ。

知識ゼロでゲーム開発?AIにWikipediaを読み込ませてクイズアプリを作る全手順

AIを使って知識ゼロから自分だけのクイズゲームが数分で作れます。「難しそう」と諦めていた方でも大丈夫。Wikipediaを読み込ませてアプリにする手順を丁寧に解説します。…

ではさっそく自分だけのメモ帳を作ってみましょう。

妥協なき「わがまま」をAIにぶつける。理想のスペックを定義する

開発の第一歩は、AIに対して徹底的に「わがまま」な条件を提示することから始まります。

AIに聞くと、今回はPythonの標準ライブラリである「tkinter」を使い、動作の軽快さを最優先に設計するとのこと。

私がAIに投げたプロンプトは以下の通りです。

【AIへの指示(プロンプト)】

Pythonでメモ帳を作りたい。
以下の条件を含めたコードをお願いします。

・タブでページを切り替えられる
・タブは追加できる
・保存できる
・文字の大きさは12pt統一
・検索機能あり
・動作を軽くしたいので余分な機能はいらない

AIからの回答は驚くほどスムーズでした。

「ご要望に合わせて、軽量でシンプルなタブ型メモ帳のコードを作成しました」という言葉と共に、Ctrl+Nでの新規タブ作成や、Ctrl+Sでの保存機能を備えた「動くプロトタイプ」が即座に提示されたのです。

わずか4回のラリーで完成。Pythonで描く「引き算の美学」

驚くべきことに、最初に出力されたコードで、すでに実用レベルの8割は完成していました。
しかし、ここからが「自作」の醍醐味です。

実際に触ってみて気になった細部を、AIとの対話で一つずつ解消していきます。

  • 保存の仕様変更: 「選択中のタブだけ」ではなく、「全タブを一括保存・一括読み込み」できるように変更。
  • UIの改善: タブ名をダブルクリックで自由に変更可能に。
  • 利便性の向上: 最後に保存した内容を、次回起動時に自動で展開する「レジューム機能」を追加。
  • スクロールの実装: 縦横のスクロールバーを追加し、長文にも対応。

結果として、わずか4回のやり取りで、私の理想とする「究極にシンプルなメモ帳」が姿を現しました。

「高機能メモ帳」というソフトウェアの操作画面。複数のタブが並び、選択中の「タブ4」に「軽い!管理しやすい!便利!」というテキストが入力されているキャプチャ画像

フリーソフトを探せばいくらでもあるシンプルなメモ帳。
自分だけの欲しい機能しか入っていないので、動作も軽くとにかく扱いやすい。

なにより愛着が湧いて使いたくなります

(2026/3/10追記)
※記事から2ヶ月経った今もこのメモ帳使っています!

【重要】ここが盲点!AI開発で「やってしまった」失敗と改善ログ

今回の開発ログで、皆さんに最も共有したいのがこのセクションです。

AIとの開発は地道な『潰し』。
1つ1つの「人間側の当たり前」を言語化しないと、思わぬ落とし穴にハマります。

私が直面した、3つの「盲点」を振り返ります。

  • 「保存」の定義ミス

    最初のコードでは「今見ているタブ」しか保存されませんでした。
    複数のメモを同時に管理するのが目的だったのに、これでは本末転倒です。

    「開いているすべてのタブを一つのファイル(またはセット)として扱う」という論理構造の指定が必要だったのです。
     
  • ユーザー体験(UX)の欠如

    当初、スクロールバーがありませんでした。
    そんなことありえる?と思いますが、こちらが指定しないとAIは勝手に付けるわけにはいきません。

    つまりAIは指示された「機能」は作りますが、「画面からはみ出したら見づらいよね」といった人間の感覚的な不便さまでは、こちらが指摘しない限りスルーしてしまうことがあります。
     
  • データの永続性

    「起動したら前回の続きから」という動作。
    これも現代のアプリでは当たり前ですが、コード上では「終了時に状態を保存し、起動時にそれを読み込む」という明示的な処理が必要でした。

これらの「失敗」をAIに伝え、一つずつコードを修正してもらうプロセスこそが一番大事なのです。

まとめ

【ツールは「探す」から「育てる」へ。AIが変える創作のカタチ】

完成したメモ帳は、見た目こそ飾り気のないシンプルなものです。

しかし、自分に必要な機能だけで構成されているため、驚くほど手馴染みが良く、何より「自分で育てた」という圧倒的な愛着があります。

記事を執筆してから2ヶ月以上が経ちますが、私は今でもこの自作メモ帳をメインで使い続けています。

「既存のツールを自分に合わせて使う」時代から、「AIを使って、自分に合わせたツールを生み出す」時代へ。

皆さんも、日常の小さな「不便」をAIにぶつけてみませんか?
わずか数回の対話の先に、あなただけの「理想の相棒」が待っているはずです。

メモ帳の他にも、プログラミングも漫画も初心者な私が4コマ漫画をAIだけで作ってみました。なかなかの完成度ですよ。

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