前回はGoogle AI StudioのAIモデルとTemperature(創造性調整)について学びました。
今回はカリキュラムの第2フェーズを学びます。
カリキュラムはこちら。
第2フェーズ:プロンプトエンジニアリング(指示出しの技術)
Lesson 3: System Instructions(システム指示)
AIからカリキュラムで提示された内容はこちら。
- 内容: AIに「役割」を与える。
- 実験: System Instruction欄に「あなたは関西弁の熱血教師です」と入力し、チャットの口調がどう変わるかを確認する。
- 目標: 毎回「~という口調で」と書かかなくても、AIのキャラクターを固定する方法を学ぶ。

System InstructionはGoogle AI Studioの右パネルの上部にありますね。
では実際にその学習方法を聞いてみましょう。
以下AIの解説
System Instructionsとは?
チャット欄(真ん中)が「AIへの依頼」だとすれば、System Instructions(右パネル上部)は「AIの設定・キャラ作り」です。
実践:AIの人格を書き換える
今回は分かりやすく、AIを「コテコテの関西弁を話す熱血コーチ」に変身させてみましょう。
手順 1: 設定を入力する
- 画面右パネルの上部にある System Instructions の入力欄をクリックしてください。
- そこに以下の文章をコピーして貼り付けてください。
あなたは大阪出身の熱血スポーツコーチです。
一人称は「ワイ」で、語尾は「~やで」「~やんけ」などのコテコテの関西弁を使います。
ユーザーを「自分(じぶん)」と呼び、とにかくポジティブに、暑苦しく励ましてください。
手順 2: 会話を試す
- 設定を入れたら、真ん中のチャット欄(Type something)に、弱気なことを言ってみましょう。
例:「最近、勉強が難しくてやる気が出ないんです……」 - Run(送信) してください。
AIが急に馴れ馴れしい関西弁で励ましてきたはずです(笑)。
重要なのは、チャット欄(真ん中)には「関西弁で喋って」とは一言も書いていない点です。
それでもAIがキャラを守り続けるのは、System Instructionsが「絶対的なルール」として機能しているからです。
実際にやってみた結果は・・・
手順1、2を守ってやった結果がこちら

確かにチャット欄には関西弁で喋ってほしいとは書いていないのに、コテコテの関西弁になりましたね。
どれだけ応用が効くのかさらに実践してみましょう。
応用実践:AIの人格をリヴァイ兵長に書き換える
私の好きなキャラクター『進撃の巨人』リヴァイ兵長にしてみましょう。
System Instruction欄には以下のように記入します。
あなたは『進撃の巨人』のリヴァイ兵長になりきって回答してください。
【性格と行動指針】
- 冷徹で無愛想、現実主義者。
- 極度の潔癖症で、掃除にはうるさい。
- 口は悪いが、本質を突くアドバイスをする。
- 甘えや言い訳は一切許さない。
【口調のルール】
- 一人称は「俺」。
- 相手(ユーザー)のことは「お前」または「ガキ」と呼ぶ。
- 語尾は「~だ」「~か?」「~しろ」など、短くぶっきらぼうに。
- 「チッ」という舌打ちや、「おい」という呼びかけを混ぜる。
- 敬語や丁寧語は絶対に使わないこと。
さらにリヴァイ兵長の口癖をGoogle検索し、いくつかをコピペしました。
この状態でチャット欄に
「すみません、今日は疲れたので掃除をサボって寝てもいいですか?」
と打って送信すると返事が・・・

おぉ。
いい感じに兵長に仕上がってますね。
このように自分の好きなキャラや設定にAIの性格を変えることが可能になるわけです。
Lesson 4: Few-shot Prompting(例示による学習)
AIからカリキュラムで提示された内容はこちら。
★ここが最重要: AI Studioの真骨頂です。
内容: AIに「ユーザーの入力」と「理想の回答」のペア(例)をいくつか与える。
実験:
例1: 入力「おはよう」→ 出力「Good Morning」
例2: 入力「ありがとう」→ 出力「Thank you」
テスト: 「さようなら」と打つと、AIが勝手に「Goodbye」と翻訳モードになることを確認する。
目標: 指示文で説明するのではなく、「例」を見せてAIに仕事をさせる技術を習得する。
では実際にその学習方法を見ていきましょう。
以下AIの解説
これは、言葉でダラダラ説明するのではなく、「例(ショット)」を見せてAIに学習させるテクニックです。
AI Studioを使う最大のメリットの一つが、この「例示」を簡単に作れることです。
実践:「お客様の声・分類マシーン」
今回は、AIを「お客様の声・分類マシーン」にします。
どんな文章が来ても、「クレーム」「質問」「称賛」の3つのどれかだけで答えるようにしつけます。
手順1:設定をリセット
- 右パネルの System Instructions にある設定がリセットされてるか確認。
- 画面上の「New chat」を押して、チャット履歴も真っ白にしてください。
- モデルは Gemini 3.0 Pro のままでOKです。
手順2:AIに「例」を教え込む(ここが重要!)
AI Studioでは、「ユーザーが入力」→「AIが回答」という履歴を、人間が手動で作る(捏造する)ことで、AIにパターンを学習させることができます。
以下の手順で、3つの例を作ります。
【1つ目の例:クレーム】
- チャット欄に 商品が壊れていました。 と入力して Run します。
- AIが何か(「申し訳ありません…」など)返してきますが、その回答の横か下にある 「鉛筆マーク(Edit)」 をクリックしてください。
- AIの回答をすべて消し、一言 【クレーム】 とだけ書き換えて、保存(Update/Save)してください。
- これでAIは「あ、『壊れてた』と言われたら『【クレーム】』とだけ返せばいいんだな」と勘違い(学習)します。
- これでAIは「あ、『壊れてた』と言われたら『【クレーム】』とだけ返せばいいんだな」と勘違い(学習)します。
【2つ目の例:質問】
- 続けてチャット欄に 営業時間は何時までですか? と入力して Run します。
- AIの回答をまた 編集(Edit) して、 【質問】 とだけ書き換えて保存します。
【3つ目の例:称賛】
- 続けて 店員さんの対応が最高でした! と入力して Run します。
- AIの回答を 編集(Edit) して、 【称賛】 とだけ書き換えて保存します。
手順3:いざ、本番テスト
これでAIは「3つのパターン(例)」を学びました。
System Instructionsには何も書いていませんが、AIは「空気」を読んでくれるはずです。
以下の文章を入力して、Run してみてください。
入力テスト: 注文したのと違う色が届いたんだけど、どうなってるの?
AIは余計な挨拶抜きで、【クレーム】とだけ返してきましたか?
これが Few-shot Prompting の威力です。
「余計なことは喋るな」「この3つのどれかに分類しろ」と言葉で指示するよりも、「例を見せる」方が、AIは圧倒的に正確に動きます。
実際にやってみた結果は・・・
さっそく手順2の1つ目の例『商品が壊れていました。』と送信。
AIから謝罪の文章が返ってきたので、言われた通りEditで謝罪の文章を全部消し『クレーム』とだけ書いて上書きしました。
2つ目の例『営業時間は何時までですか?』を送信したら、回答が文章ではなく『問い合わせ』になりました。
1つ目の質問で、こちらがやってほしいことを理解しているようです。
3つ目の例『店員さんの対応が最高でした!』と送信すると『お褒め』と返してきました。
それらを踏まえて、肝心の例文『注文したのと違う色が届いたんだけど、どうなってるの?』を打ちこみ送信した結果は・・・

おぉ。
AIの言う通り『クレーム』だけ返してきました。
ちなみに『今日はいつもの入荷してる?』と聞いたら、AIの回答が『問い合わせ』から『質問』になっていました。
なるほど。「例を見せる」が大事ですか。
しっかりと覚えておきましょう。
『Few-shot Prompting』の使用例は?
では実際にどのような場面で使えるのでしょうか。
AIに聞いてみましょう。
AIの回答を要約
Few-shot Promptingは、実はプロのAIエンジニアが最も頼りにする技術の一つ。
言葉(System Instructions)で「~しなさい」と指示するだけではうまくいかない時、この「Few-shot」が特効薬になります。
具体的に、どのような場面で有効なのか、3つの「鉄板パターン」を紹介。
1. 決まった形式(フォーマット)で出力させたい時
これが最も多い利用シーンです。AIは放っておくと、余計な挨拶や解説を付けたがります。それを強制的に黙らせ、データだけを出させたい時に使います。
- 場面: 文章からデータだけを抜き出して、Excelやプログラムで使える形式(JSONやCSV)にしたい時。
- Few-shotの例:
- 例1:
- 入力: 「田中太郎、35歳、東京都」
- 出力: {“name”: “田中太郎”, “age”: 35, “city”: “東京都”}
- 例2:
- 入力: 「鈴木花子、22歳、大阪府」
- 出力: {“name”: “鈴木花子”, “age”: 22, “city”: “大阪府”}
- 例1:
- 効果: これを見せると、次に「佐藤健、北海道」と入れただけで、AIは余計なことを言わずに {“name”: “佐藤健”…} と完璧なコード形式で返してくれます。
2. 言葉で説明しにくい「ニュアンス」を統一したい時
「丁寧だけど、少し親しみやすく、でも馴れ馴れしくない感じで……」と言葉で指示しても、AIには伝わりにくいです。そんな時は「正解の文章」を見せるのが早いです。
- 場面: 箇条書きのメモから、会社の「ブランドイメージ」に合ったメールを作らせたい時。
- Few-shotの例:
- 例1:
- 入力: 「会議遅れる。ごめん。」
- 出力: 「大変申し訳ございません。会議への到着が少々遅れてしまいそうです。すぐに向かいます。」
- 例2:
- 入力: 「資料送った。確認して。」
- 出力: 「先ほど資料をお送りいたしました。お手すきの際にご確認いただけますと幸いです。」
- 例1:
- 効果: これを見せれば、AIは「あ、このくらいの丁寧さね!」と空気を読んでくれます。
3. 難しい判断(ロジック)をさせたい時
AIに複雑なルールを守らせたい時、ルールブックを読ませるより「過去問と模範解答」を見せる方が間違いが減ります。
- 場面: カスタマーサポートで、特定の条件の時だけ「返金」を提案する場合。
- Few-shotの例:
- 例1:
- 入力: 「買ってから3日目で壊れた。」
- 出力: 「【対応】返金対象です(購入から1週間以内のため)」
- 例2:
- 入力: 「買ってから1ヶ月経つけど調子が悪い。」
- 出力: 「【対応】修理受付となります(返金期間外のため)」
- 例1:
- 効果: AIは「期間」が判断基準なんだな、と例から推論して学習します。
かなり使えそうなテクニックであることは間違いなさそう。
いつか私自身のFew-shot Promptingの使用例をまとめて、ブログの記事にしてみたいですね。
まとめ
第2フェーズでは『System Instructions(システム指示)』、『Few-shot Prompting(例示による学習)』について実践・勉強しました。
ここで学んだことはかなり実践的なもので、いよいよGoogle AI Studioを使いだしたなと実感できるものでした。
特にFew-shot Promptingは可能性が無限大に広がる機能。
仕事やライフハックにどのうように応用できるのか?を考えるだけでもワクワクできます。
この機能を活かせるかは自分次第。
活用できるようにもっと勉強しなきゃですね。




